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土竜の唄

高橋のぼるの人気コミック『土竜の唄』は現在52巻まで続いているが、その25~35巻の「チャイニーズ・マフィア編」が今回の映画化シリーズ2の舞台となっている。
この第1作は同じ三池・宮藤コンビで、原作マンガの超過激な描写を従来の映画の枠を超えたぶっ飛んだ実写版マンガ映画の趣きで描いてくれコミック・ファンのみならずコアな映画ファンを楽しませてくれた作品だった。
今回は、潜入捜査官通称モグラに任命されヤクザ組織に潜入した菊川玲二が、義侠派ヤクザのクレイジー・パピヨンこと日浦に気に入られ、義兄弟の契りを交わす羽目になった後、日浦はあろうことか敵対する数奇矢会の轟と親子盃をしてしまう。そして玲二は轟直属のボディガードにされてしまった。ますます復職の道が遠くなり、恋人の婦警・純奈にも会えないのに悶々とする玲二に、轟の娘・迦蓮が興味を持って近づいてくる。折しも警視庁組織犯罪対策部に、汚れた警官を憎むエリートの兜真矢が赴任し、ヤクザにモグラとして潜入した玲二を糾弾しようとしていた。
そんな時、日本で急速に勢力を増したチャイニーズ・マフィア仙骨竜が数奇矢会に歯向かってくる。その台頭には日本のヤクザ組織が噛んでいると見た轟と日浦は探りを入れその組織を突き止めるが、仙骨竜の美脚ヒットガール・胡峰に轟が襲われ間一髪、玲二が助けるが、迦蓮がさらわれてしまう。仙骨竜は本拠が香港にあり、そこでの最大の収入源は世界各国の美女を誘拐し闇のオークションで世界の富豪に美女を売る商売だった。玲二と日浦は、日浦の舎弟となった武術の達人・クロケンを共に迦蓮を救うため香港へ飛ぶ。そこで見たものは予想もしない黒幕の存在だった…。
前作のマンガ的超オーバーアクションの数々やオイロケ描写は健在であり、原作コミック・ファンの目を楽しませてくれるが、カラッと乾いた描写で全編突っ走った前作に比べ、今回は玲二と純奈や迦蓮とのメロドラマ的描写を含む少しウェットなシーンがかなり盛り込まれているので、その辺で見る観客の気持ちに少しストップがかかるような感じがする。もう少し<それがどうした!>のようなドライな感覚で描いた方がよかったのでは?それがこの映画の真骨頂だったはずで少し残念!
ぼくのチケット代は、そういった意味で1,800円の作品でした。
星印は、2ツ半差し上げます。


[ 2.5 点(5点満点)・ 1800 円(1800円基準)] 5点満点中2.5点 1800円
衛藤賢史のシネマ教室について…

“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。

星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)

【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動

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