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ロイヤル・ナイト

1945年5月8日。ヨーロッパ戦線でドイツが降伏した日、イギリス王女のエリザベスと妹のマーガレットが、戦勝に沸き立つロンドンの街中にお忍びで出かけた!という逸話を、「キンキー・ブーツ」のジュリアン・ジェラルド監督が描いたロマンティック・コメディであり、イギリスらしいウィットに富んだ楽しい作品に仕上げている。
1945年5月8日、苦しい戦いに勝利した日。当時19歳のエリザベス王女は、妹のお転婆なマーガレット王女の誘いに乗り、父である国王ジョージ6世のラジオでの戦勝演説を、国民がどう聞いてくれるかリサーチしたいという名目でロンドンの夜の街に出かけたいと申し出た。護衛つきと時間制限を受けながら、2人は生まれて初めてロンドンの街を散策できる許可を得た。
庶民たちと自由に触れ合えるおそらく一生に1回だけの出来事と喜んだエリザベスとマーガレットは、ワクワクしながら外出するが、王妃の命令で護衛する士官ふ2人と、貴族たちのパーティに参加させられたお転婆娘のマーガレット王女はむくれてしまい、士官2人をまいて街中に飛び出してしまう。
あわてたエリザベス王女もマーガレットを追い、人また人のロンドンの街にさまよい出る。やっと2階バスに乗り込むマーガレットを見つけたものの、違うバスで追いかけたエリザベスは、バス代を払うことも知らない王女の身分。バス代を請求されて困ってしまったが、隣の席のジャックという空軍の兵士がお金を貸してくれる。
たった1人などなったこともないエリザベスは、ジャックに妹を一緒に探してくれと頼みこむ。エリザベスの高貴な身分など知る由もないジャックは、服装などから世間知らずのお嬢さん扱いで、渋々付き合ってくれるのだが、マーガレットが行った方向はロンドンでも有名なヤバイ場所。地の利を知るジャックのお陰でアクシデントを乗り越えながらマーガレットに迫るが、次々と場所を変えるお転婆娘に手こずっているうち、約束の門限は刻一刻と迫ってくる。
さあエリザベスは、マーガレットと合流できるのか?エリザベスとジャックの淡い感情の結末はどうなるのか・・・。
英国王女が経験したその夜の数々の破天荒な出来事を微笑ましく描きながら、庶民と王室の戦争に対する微妙な温度差などを織り込んでいるので、単なるロマンティック・コメディとは少し肌合いを違わせながら、ラストは胸キュンのニッコリできる内容に仕上げたJ・ジャロルドの演出は達者であり、エリザベス王女を演じたS・ガドンのキュートな魅力は一見の価値がある作品であった。
ぼくのチケット代は、2,100円出してもいい作品でした。
星印は、3ツ半差し上げます。


[ 3.5 点(5点満点)・ 2100 円(1800円基準)] 5点満点中3.5点 2100円
衛藤賢史のシネマ教室について…

“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。

星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)

【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動

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