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身近な「サバ缶」の話題です。

今回は、大銀経済経営研究所の河野祐子さんにご出演頂きました。

 

 

■大分県内の最新経済動向について

直近のデータによると製造業では生産指数が上昇しています。足元の消費は今年の夏の猛烈な暑さや台風の影響から大型小売店の客足に響きあまり芳しい状況ではありませんでした。
一方で、3ナンバーの乗用車の動きが良く、マンションの新設の動きもあり住宅着工も良好です。また、観光面も宿泊客、レジャー施設入場者は活発に動き明るい状況が続いています。
以上から、全体の基調判断は“緩やかな持ち直しの動きが見られる”としています。

 

 

■今日は「サバ缶」!?ということですが…
身近な、「サバ缶」について!個人的なことで恐縮ですが、私は「サバ」が結構好きですが、共稼ぎ世帯ということもあって、なかなか鮮魚から調理する機会は少なく「塩サバ」や「サバ缶」など調理済みの食材をよく利用します。ところが、最近「サバ缶」が棚から消えていることが時々あり、がっかりすることが多いです。
ーパーの食品売り場、中でも缶詰コーナーを見て、サバ缶が品切れになっていたり、他の缶詰と比較して少なくなっていることにお気づきでしょうか?
最近ニュースなどでも、「サバ缶」ブームによる品薄の影響や値上げなどが触れられています。
「サバ缶」をめぐる地元大分の動向や、その背景について調べてみました。

 

 

■身近なスーパーの食品売場の動向について
実際、市内の複数のスーパーマーケットに聞いてみたところ、ここ1年くらい「サバ缶」の売れ行きが好調であったものの、肝心のサバ缶の入荷自体が厳しくなっているそうです。
あるスーパーでは、発注しても2、3回に1回しか入荷してこないとか、発注した量が確保できないという状態がここ1年くらい続いているとのことです。テレビ番組などで、魚の缶詰は骨ごと食べられて、栄養価が高く健康によいということで「さば缶」が紹介されたことをきっかけに、ご年配の方を中心に購入者が増えているようだということで、入荷して棚に並べるとすぐに売り切れるということです。

 

 

■サバ缶の生産量は?
入荷自体が厳しいということで、実際の「サバ缶」の国内生産量について「日本缶詰ビン詰めレトルト食品協会」が公表しているデータをみると、10年前の2008年には、ツナ缶(まぐろ・かつお類)がさば缶より約1.8倍の生産量で大きくて上回っていましたが、2014年頃にはサバ缶の生産量がツナ缶に追いつき、2016年以降サバ缶の生産量がツナ缶を上回るようになりました。
サバ缶、ツナ缶、さんま、いわし缶など含めた、水産缶詰びんの国内生産量は、全体として近年横ばいで推移しています。しかし、サバ缶だけは、大きく増加し、2017年は2015年対比で22%増えています。
それだけ、消費者の間でじわじわと鯖缶への注目度が高くなったのでしょうが、ここ1年の間の急激なブームで生産量が逼迫しています。

 

 

■サバ缶の生産量が逼迫している理由とは?
農林水産統計で主要な魚種別の漁獲量の2008年以降のデータをみると、「サバ類」はマイワシやかつお、まあじ、さんまなどを抑えて最も漁獲量が多い魚です。漁獲量もここ数年50万トン前後で推移し安定し、価格もkgあたり80円前後と、水産資源の中では比較的安定的に供給が図られている魚種と言えます。
一方で、海外輸出の急激な増加の影響や缶詰用に適した大きさのサバの漁獲量が減っていることや水産資源管理上の水揚量の上限規制などもありこれまで以上のサバ缶用の原料の確保が難しくなっているようです。そのため、急激な需要の増加に生産が追いつかない状況のようです。
また、この夏、メーカー側は需要増に対応するため高い原料を確保せざるおえないことから、缶詰の値上げを発表しています。

 

 

■さば缶ブームの背景
スーパーの方の話では、数年前には広告の特売品にサバ缶を掲載して安い時にはひと缶100円程度で販売できていたが、最近は値上げの影響もあり140〜150円で販売しています。しかし、店頭に並べてから完売までの回転が早く、やはり消費者の人気が続いているようです。ここまで原料の調達や生産にまで影響しているサバ缶ですが、そもそもどうしてここまで人気が上がったかということです。まず、先ほどお話ししたように、テレビ番組を通じ健康に良いとされる成分が豊富に含まれていることや、レシピなどが取り上げられたことが大きな要因です。
特に鯖缶にかかわらず、最近ではテレビの健康番組などで取り上げられた食材は、店頭からすぐに消えてしまうほど消費者の反応は早いそうですが、サバ缶の場合、ブームは長く続いているようです。
その背景には、青魚の血液サラサラ効果や認知症予防といった健康効果を狙った中高年のほかに、共働きの増加で下処理なしで手軽の時短調理できることなどのがメリットであり、若い女性にも購買層を広げています。健康によくて、短い時間で調理できる上、ネット上にはレシピも溢れていて、美味しく食べられる、といったことから幅広い世代で購入が広がったようです。

 

 

■まとめ

スーパーの現場でも、原材料の調達が厳しいなかでまだサバ缶人気と品薄感は続くのではという見方をしていますが、水産加工メーカーの方では、値上げをしつつも、国内の生産能力増強を図っており、秋の水揚げ状況次第では若干の品薄感は緩むことも期待できます。ただ、水産物の缶詰全体として価格が上昇しているという話もあり、以前のように安くて手軽に食べられるというものではなくなるかもしれません。
消費者は不思議と「品薄」になるほど人気が出ると、逆に欲しくなることもありますが、大分の場合、手軽な調理を望むのであれば鮮魚でなくとも良質な干物もありますし、新鮮なお刺身、これからはブリなどもおいしい季節です。この機会に、地域の足元にある新鮮な食材に目を向け、手間を惜しまず改めてそれぞれの魚を味わうのも良いのかと思います。

 

(おわり)