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2018年大分県経済を振り返る

今回は、大銀経済経営研究所の平山翔悟さんにご出演頂きました。

 

■まずはじめに、大分県内の最新経済動向を教えてください。

 

県内経済は緩やかに持ち直しています。個人消費では、大型小売店の販売動向は横ばいの動きとなっており、乗用車の新車販売台数は、底堅く推移しています。雇用は、10月の有効求人倍率が1.53倍で過去3番目の水準、正社員有効求人倍率(正社員に限った倍率)が1.27倍で過去2番目の水準となっており、引き続き高水準で推移しています。

 

 

■今回は、2018年の大分県経済を振り返って頂くということですが、まずは?

(1)宗麟大橋の開通について

まず、今年1月の出来事ですが、大分市における交通渋滞の解消を目的として建設が進んでいた「宗麟大橋」が開通しました。大分川河口部に橋が新設されるのは1966年の弁天大橋以来、およそ半世紀ぶりのことです。1月14日の開通と同時に行われた「渡り初め」のイベントには約4,800名が参加するなど、関心度の高い話題だったのではないでしょうか。また、3月に行われた交通状況の調査では、宗麟大橋周辺の滝尾橋と広瀬橋では開通前と比べて約2割交通量が減少したということで、交通量の分散が確認されました。

 

(2)ガソリン価格の高騰について

今年は全国的にガソリン価格が高騰し、家計や企業収益を圧迫しました。資源エネルギー庁の統計では、県内においては2016年の3月頃からガソリン価格は上昇を続けており、9月25日時点のレギュラーガソリンの平均小売価格は160円30銭と、2014年12月以来3年9ヵ月ぶりに160円を超えました。10月下旬のピーク時には165円60銭まで上昇しましたが、そこからは徐々に価格は下降しており、先週は158円80銭と、ようやく160円以下にまで落ちました。

 

(3)猛暑の影響について

今年は8月13日に日田市で気温39.9度を記録し、九州地方における観測史上最高気温を更新しました。また、大分市と日田市で6月~8月の平均気温が統計開始以来の最高を更新するなど、記録的な猛暑となりました。大分県の発表では、7月の熱中症患者の搬送数は544人と前年同月対比で2割増、8月では搬送数386人で前年同月対比6割増と激増しました。夏の気温が高いと季節需要が盛り上がるので、小売業ではエアコンや、シャツ、シーツ類、飲料などの売上が好調でした。ただ、今年は暑すぎたせいか、外出しようという人自体が減ってしまって、全体の客足が減少してしまうなどマイナスの側面もあったようです。また大分県は温泉県ですので、あまりにも気温が高いと温泉の利用客も減少しまうということで、観光客数は伸び悩んだように思います。

 

(4)国民文化祭の開催、大分トリニータのJ1復帰など

今年は、10月6日に「第33回国民文化祭・おおいた2018」と「第18回全国障害者芸術・文化祭おおいた大会」が開幕し、51日間に渡り県内各地でイベントや展示会が開催されました。また、11月には大分トリニータがJ2リーグを年間順位2位で終え、6年ぶりのJ1復帰を決めました。それ以外にも5月に別府市で「世界温泉地サミット」が開催されるなど県内の各地でたくさんのイベントが開催され、県民にとっては大いに盛り上がった1年だったのではないでしょうか。

 

 

■最後に、2019年の大分経済について、どのようにお考えですか?

来年(2019)は、4月末から5月に元号が変わるタイミングで10連休が導入される予定です。大型連休となると海外旅行に行く人もいると思いますので、期間中の県内での消費活動が活発になるかについてはやや疑問もありますが、元号が変わって祝祭ムードが高まると、消費者心理はいくらか改善するのではないかと期待しています。また来年の9月には、いよいよラグビーW杯が開催されます。開幕は9月ですが、県内で開催される5試合はいずれも10月となっています。大勢の観戦客が国内外から訪れることが予想され、大分県の魅力をアピールするまたとないチャンスとなるでしょう。また10月には消費増税も予定されています。消費増税の導入時には、軽減税率の導入やキャッシュレス決済によって5%のポイントを還元する優遇制度などが設けられる予定となっています。増税幅も今回は2%ということで、2014年4月に5%から8%へ引き上げられた時と比較すると、駆け込み需要が小幅に留まることで、その後の反動減も小さく抑えられると予想されます。しかしながら、増税が家計にとって大きな負担となることは間違いなく、消費者心理の冷え込みも危惧されます。10月にラグビーW杯大分開催と消費増税の時期が重なることについて、良い面と悪い面があると思いますが、増税による消費者心理の冷え込みを、ラグビーW杯開催の熱気が吹き飛ばしてくれることを期待したいところです。

 

(おわり)