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県内の「クラウドファンディング」の調査について

今回は、大銀経済経営研究所の植木隆史さんにご出演頂きました。

 

 

今回は「クラウドファンディング」に関する調査をされたとのことですが
現在、企業の資金調達の方法が多様化しているといわれています。そのような中でもクラウドファンディングが注目されていることから、今回調査を行いました。クラウドファンディングは、新しいチャレンジを不特定多数の個人が資金面で応援する仕組みで、この仕組みを地場の企業がビジネスで活用することに着目した調査を行いました。今回は、その調査の内容についてご紹介します。

 

 

 

クラウドファンディングとはどのような仕組みになっていますか?

クラウドファンディングは、『プロジェクト』と呼ばれるクラウドファンディングを通じて行いたいこと(例えば新しい製品を作りたい、イベントを開催して人を集めたい)を持つ人が仲介サイトを通じて支援者となる不特定多数の個人から資金調達を行う仕組みです。不特定多数の個人から資金調達を行う手法は募金などがありますが、クラウドファンディングがそれらと違うのは専用の仲介サイトを通じてインターネット上で行われることにあります。支援を考えている人が仲介サイトを見て、自分が共感できる支援したいと思うプロジェクトを選び、クレジットカードを使って支援金を払うという仕組みが多く見られます。クラウドファンディングは様々に分類できますが、今回の調査ではその中でも「購入型」という支援の対価として金銭的以外のメリット(製品やサービス)の返戻が行われるタイプを中心に調査をしました。このタイプがクラウドファンディングの中で参入がしやすく、実際に件数がクラウドファンディングの中で最も多くなっています。

 

 

 

クラウドファンディングのメリットやデメリットはどのようなところにありますか?

メリットには、資金調達手段の多様化、宣伝によるファンの獲得、テストマーケティング機能などがあります。特に、クラウドファンディングは、数あるプロジェクトの中から支援を考えている人が共感を持ったプロジェクトを支援するという仕組みであることから、事業者と支援者が一つの思いで繋がっていることが特徴と言えます。また、目標金額を設定し、目標に達しないプロジェクトは行わないようにすることで、行おうとしているプロジェクトが市場から受け入れられるのかを調べながら資金調達を行えるという機能もクラウドファンディング独自のものといえます。

 

 

 

今回の調査に当たって、アンケート調査を行ったとのことですが?

県内の事業者向けにクラウドファンディングの認知度や経験などを伺いました。回答内容を見ると、クラウドファンディングについて「知っている」「名前は聞いたことがある」と回答した企業は全体の約86%と一定の認知度がありました。クラウドファンディングの実際の経験について、クラウドファンディングを行ったことがある企業は全体の2%近くとわずかでしたが、検討中である企業や興味のある企業は25%あり、一定の関心をもたれていることも分かります。クラウドファンディングの魅力や利点については「資金調達手段の多様化」や「自社のファン獲得」といった項目が上位でした。またデメリットについては「金融機関からの調達で十分である」「出資者対応が大変」といった項目が上位となりました。

 

 

大分県の今後のクラウドファンディングの展望をどのように見ていますか?

まずは今後一層の認知度や仕組みについての理解を向上させていくことが必要だと思います。2018年10月に大分のクラウドファンディングサイト「sandwich」が、大分銀行と大分合同新聞社がクラウドファンディング大手のミュージックセキュリティーズの支援を受けて誕生しました。地元のクラウドファンディング相談の窓口としての周知や利用を通じてクラウドファンディングへの理解が深まり、クラウドファンディングへの取り組みも増えていくのではないかと考えています。また、プロジェクトへの「共感」を元に小口の資金を不特定多数の個人から集めるクラウドファンディングはスタートアップに代表される新たなチャレンジの支援に向いている仕組みといえます。今後、クラウドファンディングを活用して新しい取り組みが大分から多く誕生することを期待したいと思います。

 

 

最後に

クラウドファンディングはこれまでの資金調達方法にはなかった新たな可能性を持った資金調達手段です。しかし、様々な課題もあり決して万能なツールでもないと思います。また、アンケート調査などを通じて、従来の金融機関を通じた資金調達法にも一定の支持があることも見えてきました。今後は、金融機関などの従来型の資金調達とクラウドファンディングのような新たツールを目的や状況に応じて使い分けて活用することが、上手な付き合い方なのではないでしょうか。また、支援する側としてクラウドファンディングサイトを見るのも、特徴的な取り組みをしているプロジェクトが数多く出されており興味深いと思います。

 

(おわり)