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大分への活発な企業立地

おはようございます。冷え込みは続きますが、少しずつ春らしいぬくもりを感じられるようになってきましたね。

  最近の県内の景気動向を考えると、やはり観光が注目ポイントです。「九州ふっこう割」が昨年末で終了したため、年明け以降、観光客が入ってきてくれるのか、ちょっと心配です。そこで先日、湯布院と別府を歩き回ってみましたが、街中には海外からのお客さまを中心に観光客の方がそれなりに出歩いておられ、少し安心しました。ただ、バス旅行の途中での立ち寄りといったお客さまも多いようなので、油断は禁物ですね。宿泊施設からは、「宿泊客が前年より少なくて困っている」とのお声も聴きます。もし、リスナーの方で、しばらく旅行を楽しんでいないなという方がおられたら、今、県内の観光地に足を運んで頂ければ、すごく喜ばれるのではと思います。

さて、本日は、大分県への企業立地の動向についてお話しします。他県の企業が、大分県内に工場や営業所、倉庫などの拠点を新たに設けることを企業立地と呼んでいます。実は現在、こうした新規の企業立地の件数が過去最高水準にあるんですね。今日は、どんな企業が進出しているのか、どうして大分県を立地先として選んだのかなどについてお話ししたいと思います。

まず、ちょっと過去を振り返りますと、大分県は1960年代、80年代、2000年代に、鉄鋼や化学、精密機械や自動車といった大手メーカーの拠点進出が集中的に進みました。この結果、県内のメーカーが作り出した製品の総額(製造品出荷額等と言います)はぐんぐん伸びています。実は、この10年間をみても、日本全体ではほぼ横ばい(1割弱の伸び)に止まっているのに対し、大分県は、3割以上も伸びており、伸び率は全都道府県で一番なんですね。

製品額を九州の中で比べてみますと、1位は福岡県で8.4兆円、2位が大分県で4.6兆円、3位が熊本県で2.5兆円です。大分県の4.6兆円のうち7割近くの3.1兆円が大分市で生産されていて、これは全国の市町村の中で11番目に多い金額です。このように、大分県は胸を張って「工業県」ということができます。

こうした中にあって、2015年度の新しい企業立地件数は、30件と過去最高となりました。一つ一つの企業の規模はさほど大きくないのですが、中身をみると、自動車や電機の下請けとして部品などを作る会社(サプライヤーと言います)が多くみられます。実はこれは、大分県の今後の経済を考えると、すごく大きな意味を持っていると思います。

大手メーカーは、たくさんの製品を作り出し、販売する訳ですが、そのための原材料や資材については、県外の企業から調達して、仕入れ費用を払っています。お金が県外に流出するため、たくさん物を作っている割には、経済的な恩恵が県内に広まりにくい訳です。これに対し、下請け企業が県内に増えてきますと、大手メーカーは県内の下請け企業から仕入れて、仕入れ費用を払うことができます。そうすると、その下請け企業にお金が歩留り、下請け企業の社員さんへの給料や生産設備の購入に充てられて、お金が県内でぐるぐる回り始めます。下請け企業が県内に多い方が、経済面へのプラス効果が多いので、非常に良い動きと思います。

もう一点、最近の特徴としては、こうした下請け企業に止まらず、コールセンターやソフトウェア関連などの非製造業も進出していることです。日本の産業構造全体が、製造業から非製造業に大きくシフトしている中で、こうした非製造業の会社が大分に増えることは、わが県の産業活力を向上させたり、新たな雇用を生むといった効果が期待されます。まだまだ規模が小さくて目立ちませんが、今後の大分県経済の成長・発展の礎(いしずえ)となる大きな変化が起きていると捉えることも可能です。

新たに大分に進出した企業さんに、何で大分を選んだのか、われわれが個別に聞いてみたところ、大きく4つのポイントがありました。まず1番目に、大分県や大分市、別府市などの自治体の企業誘致や支援がとっても積極的だったこと。これは、私が聞いた企業でも全てがそう答えておられて、予想以上の高い評価でした。県知事や市長、担当の方に至るまで、「ウェルカム」の気持ちを全面に出され、それがしっかり伝わっているようなんですね。実際、進出した企業さんが市の担当者の方に、どこのお弁当が美味しいかとか、ゴミの捨て方はどうかなど聞くと、担当者の方がきめ細かく教えているようなんです。満足度が高い理由が良く分かりますね。大分県にとって、自治体さんの積極性は大きな武器だと思います。

2番目に、東九州自動車道が開通したり、東京方面への貨物船が開通したりして交通インフラの整備が進んでいることが挙げられました。3番目に、福岡を中心に九州北部に自動車メーカーの集積が進んでいて、大分から部品などを供給しやすいこと、4番目に気候が温暖であったり、のどかで住みやすい生活環境が挙げられていました。これは私も日々実感しています。

以上、新たな立地企業が、大分県の良いところをしっかり把握して、進出して下さっていることが良く分かりました。これからも、こうした大分県の良さに磨きをかけて、さらにたくさんの県外企業に進出してもらいたいですね。このために、我々ができることと言うと、例えば、製造業で働く人材の育成、外国人留学生の活用、女性の働きやすい環境つくり、ロボットなど成長産業の集積、港湾ほか交通インフラの整備などがあります。これから努力できることも一杯ありますので、県民みんなで知恵を絞って頑張っていければいいですね。

(終わり)