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「『家計調査』から見た、大分の食卓」について

今回は、大銀経済経営研究所の河野祐子さんにご出演頂きました。

 

 

 

今回は、「 『家計調査』から見た、大分の食卓」についてアンケート調査をされたとのことですが

「家計調査」とは、総務省が行う、毎月の統計調査で、国内の家計の支出を通じて個人消費をとらえることができるものです。学生の単身世帯をのぞき、全国で約8,000世帯を標本とし、県庁所在市及び政令指定都市で実施されています。大分県では、大分市のみが調査対象地域に指定されています。この統計は、国の経済政策、社会政策の立案のための基礎資料として主に用いられていますが、支出の部門では細かい品目別のデータもあり、食生活における土地柄の特性などもデータから把握することができます。

 

 

 

家計調査で大分県が全国上位にあがっている品目はどんなものがありますか

今日のお話で利用するのは、家計調査の2016年~2018年の年間支出額・数量の3年間を平均した全国ランキングのデータです。飲食料品の品目の中で大分で購入されるもので、全国1位となっているのは、「鶏肉」「油脂」「食用油」「あさり」「干しいたけ」、2位になっているのが、「しょうゆ」「酢」「小麦粉」そして「外食の焼肉」です。他にも10位以内に入っている品目も複数ありますので、家計調査からみえる大分の食卓メニューについて想像してみたいと思います。

 

 

 

大分県の人は肉食系!

まずこのデータから言えるのは、大分の人は「肉好き」ということです。全国1位の「鶏肉」のほかに牛肉や合いびき肉の購入も全国を上回っており、「生鮮肉」の数量が全国平均より約1割上回っています。魚類より肉にお金をかけている傾向があります。全国では支出額は、肉類は魚介類の1.17倍なのに対して、大分は1.46倍と魚介類に比べて肉類の消費額が高くなっています。加えて、外食でも「焼肉」が全国2位と、全国の中でもとっても「肉好き」と考えられます。

 

 

 

魚介類に対する好みは

「肉好き」でありながら、「刺身好き」でもあります。「刺身の盛り合わせ」は全国で数量が7番目に高くなっています。「鮮魚」を詳しくみると「あじ」「いわし」「さば」「たい」「ぶり」が全国順位で10位以内に入っており、豊後水道の海が浮かんできます。全国平均では「えび」に次いで「マグロ」の数量が多いのですが、大分市の「まぐろ」の購入数量は全国の4分の1となっています。「刺身の盛り合わせ」の消費量が多いということは、それだけ刺身が美味しく食べられる新鮮なものが比較的お手頃価格で購入しやすい土地柄であり、さらに魚種が豊富にあるという豊後水道という恵まれた海を持つ強みであるといえます。さらに「あさり」も数量が全国1位となっており、これも大きな特徴の一つです。これは、かつて昭和の中盤頃までの大分市は遠浅の海で貝類が豊富にとれたといった背景から、その食の傾向が未だに残っているのではないかと思います。

 

 

 

■今回の 家計調査のデータから、食卓の献立や味付けをイメージできますか

まず、大分の人の献立の1番人気はやはり「とり天」「からあげ」なのかなと思います。全国1位の「鶏肉」「油脂・食用油」、2位の「小麦粉」を結びつけるとこれらのメニューが浮かびあがります。また調味料についてみると、「醤油」は2位、「砂糖」は3位の数量となっています「甘辛い味付け」や、「酢」も2位と高く「酢の物」も好まれているのではないでしょうか。ただ、一方で「ソース」は下から3番目「めんつゆ」は下から2番目に少なく、「麺類」の購入数量は那覇市について2番目に少ないことから、「洋食」のパスタ、「麺類」の献立よりも、煮物など和食の献立が多いのではと想像できます。

 

 

 

健康上で気をつけた方がいいと思うことはありますか?

生鮮野菜をみると大分は購入数量が全国より6%ほど下回っています。中でも「ほうれんそう」は下から4番目と低くなっています。家庭での野菜の摂取量が全国平均より少ないことが懸念されます。肉が多いわりには、ちょっぴり野菜不足かもしれません。また調味料の支出の状況から、濃い味の傾向や塩分や油分を多めにとっていることも指摘できます。さらにスナック菓子やハンバーガーの摂取量も全国上位に入っていますので、塩分や油分、カロリー消費量など健康維持の側面では、少し気になるところです。ただ、お酒に関しては焼酎以外はそれほど多いわけではないので、「飲みすぎ」ているというわけではないようです。

 

この家計調査の食品の品目を総合的にみていると、大分の人は「肉食系」の一面が強いものの、一方で「刺身好き」という、ちょっぴり贅沢な姿が浮かんできました。大分県は豊の国で「食が豊か」とよく言いますが、家計支出のデータからも垣間見ることがきました。地元の素材そのものの味を堪能しながら、バランスよい食事を心がけていくということが大事ではないでしょうか?

(おわり)