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番組審議会だより

2021年5月号

5月の大分放送番組審議会は、当初は5月17日(月)に開催する予定でした。しかし、4月~5月にかけて、大分県内では「新型コロナウイルス」陽性件数が連日40~70件で高止まり状態が続き、5月6日には感染急増段階にあるとして、県は感染状況をステージ3に引き上げました。これを受けて、感染防止のため例会を中止し、番組審議会委員に弊社制作の番組のDVDを郵送して、ご意見やご感想を寄せていただきました。委員の名前と視聴番組です。

1.大分放送番組審議会委員
伊藤安浩 委員長、是永幹夫 副委員長、
伊藤京子 委員、神田岳委 委員、小田圭之介 委員、板井良助 委員、藤本 保 委員、児玉憲明 委員

2.議題
[1]視聴番組
テレビ番組 ダイドードリンコ 日本の祭り「霊峰に捧げる祈り」~桧原マツ~
放送日時 2021年5月9日(日)午後4:00~4:54
[2]次回の日程について
日時:2021年6月21日(月)正午
会場:大分放送 本社5階 セレモニーホール

3.視聴番組概要
※「ダイドードリンコ日本のまつり」は、ダイドーが地域活性化などを目標に日本各地に伝わる祭りを支援するもので、民放全系列局と独立局が参加し、制作。
※粗筋 鎌倉時代が起こりで五穀豊穣を祈願する神仏習合の祭り「桧原(ひばる)マツ」は、本堂での法要後、ホラ貝の合図で白装束の僧を先頭に3基の神輿が下宮から本堂へ渡る、御神幸が行われる。境内で始まる御田植式(マツヤク)では稲作の一連の所作が地元信者によって、ユーモアたっぷりに演じられる。

〈委員からの主な意見〉
〇コロナ禍が続く中、開催には厳しい環境で3地区代表者で相談して、最小限の人員で法要とお田植え式「マツヤク」を披露することに決める。披露するとなると心一つに練習にも熱が入り、皆で伝統を守る中で、地域を守り次世代に繋ぐ、希望と未来への自信が蘇ってきた。1週間のお寺の神事は厳かに、当日の法要と「マツヤク」は関係者のみで精一杯賑やかに行われて、老若男女の満足げな笑顔が満ち溢れて、地域の信仰と伝統が心一つになり、地域の将来の安寧と繁栄を約束させた印象の強く残った、素晴らしい番組だった。世界規模の断絶と孤独な世相とはかけ離れた、日本の信仰と伝統の祭りを丁寧な取材と、密着した生き生きとした画像から、集落の情景や空気の匂いのようなものまで感じ取ることができた。東京一極集中の経済や、中央からの一方的で多量な文化発信の波の中で、地域の存続を問いかけ、地方に住む多くの日本人に勇気と情熱を喚起し、自分のこととして考えさせる番組だった。

〇長いスパンであるからこそ、ものすごいドキュメンタリーだなというふうに思いました。そもそもは違う視点での祭りそのものを取り上げるという視点からの取材だったんでしょうけども、それからコロナが始まって実際に立ち往生してしまったということで、それであの息子さんが帰ってきて親子ですね、これからどうやって行くのかというところを非常に興味深く見ました。本当に取材とかリアルタイムにその状況を刻々と追ってる感じもありましたし、地元を大事にしているという感じを強く受けました。

〇田舎の小さな祭りに、2年間、長期間にわたって長く入り込んで、祭りを中心にそのお寺だったり、小学校だったり、その地域だったり、そういったところを丹念に描いてところがすごいなと感じました。映像もすごいきれいでドローンを使ったんですかね。空撮できれいな紅葉と岩稜の山々だったり、そういうすごい地域が分かっていいなと思いました。で、ちょっとまださらに知れたらいいなと思ったのがですね、例えば地元の3つの地区がやってる祭りなんですけど、その3地区で、何世帯何人ぐらいいるところなんだろうと。かつ高齢化でどんどん減ってて小学生はもう4人になったみたいなところから出るんですけど、今どのくらい人がいてどのくらい減ってどのくらいいて、家族も出てくるんですけど、例えばどんな仕事をしてるんだろうみたいなそういったところも一緒に盛り込むともっとリアリティが出るんじゃないかなというふうに感じました。同じように出てくるのはほとんど男性ばっかりだったので、裏方的にたぶん動いてる女性たちがどんな感じでこの祭りに関わってるんだろうと、そういったところもあれば、よりもっと、いろんな視点で見ることが出来たのかなっていうのは感じました。でもいずれにせよ祭りのこととかですね、コロナの影響の中でどんな地域が影響を受けたんだと、そういったところが非常によくわかって興味深く見ました。

〇たくさんの登場人物がいますけど、長い尺の番組だったということを差し引いても、子どもたちの太鼓とかそれこそ親子関係とかお祭りのこととかできなかったそのおじさんたちの話し合いとか、本当にすべての部分において丁寧に取材をされていて作られていたので大変見応えのあるものだったし、結論として、今年もできない可能性がある中で、今年は規模を縮小しながらもできたということがなんかこうほっとしたような、またそこに新しい若い力が入ってやられてるという前向きなとこがあったので、とても良い番組だったなと思いました。

〇桧原マツはこれまで見に行ったことなかったんですけど、これまで何度も繰り返し申し上げてますけど、ダイドードリンコさんはやっぱすごいなという。文化庁の桧原マツの記録はここまで丁寧に取ってませんもんね。私も過ごしたことがある東北は、江戸時代後期から明治・大正・昭和の初めまで使われた田植え踊りはもう膨大にあるんですね。岩手の田植え踊りなんかは非常にコミカルで面白くて、それを舞台にも前の劇団の時人気演目であげてましたけど、岩手・宮城から青森県の八戸あたり福島含めて膨大な田植え踊りがあるんですが、このお田植式の形としてはたぶん日本で一番古いんじゃないかと思いますね。この番組でちょっとびっくりしたのは、7つの田植え作業、「水止め」「田うち」「畦塗り」「畔切り」「代掻き」「柄振り」「種まき」をほんと丁寧に取り上げていて、これは逆に文化庁なんか文化財保護課がほしがるような丁寧な撮り方と思います。これの魅力っていうのは「マツヤク」という、ほんと寸劇の怒涛のようなアドリブで、本当これは面白くて、場を何が何でも盛り上げるという気持ちが映像を通して伝わってきました。77代目のご住職の跡取りが京都から帰ってきたこととか、地元津民地区の和太鼓の子どもたちとかそういう場面も上手く入れてて、やっぱり一番私が感動したのは同じ地元である、中津の古要神社の「傀儡子(くぐつ)の舞と神相撲」のあれも日本で一番古い人形芝居と言われてますけど、大分のこのすごさっていいますかね、お田植式のこんな古い形も今も続けているという。それを映像できちんと撮っていうこと自体にもびっくりしました。

〇先程来お話があるように700年以上伝統があって稲作の動作ですよね。「水止め」、「畦塗り」、「代掻き」とか「種まき」とかこういう動きをユーモラスに表現するっていう内容で、本当に稲作が日本とか日本人の精神文化の形成に果たした役割は大きいんだろうなあというふうに改めて思いました。農業の機械化がされるようになったのは、もうたかだかここ100年弱ぐらいのことで、それまではもう地域の人間が総出でやるしかなかったわけですよね。それをもう2,000年以上続けてきてるわけですから、この稲作文化ってのが日本国の文化にも多分大きな影響を及ぼしてるんだろうと改めて感じました。皇室の行事も基本的にはその稲作と関わりが深いものが多いので、その点でもそのことを改めて感じました。それからこういう祭りっていうのは後継者の問題が出てくると思うんですけれども、たまたまこのお祭りに関しては77代の住職、郵便局長を兼務されてる方ですけれども、この息子さんが大学を卒業して地元に帰って来るとか、あるいは市職員の中でも受け継ごうとする上福さんという方ですかね。若者がいたりとかそういう意味では希望の持てる内容だったなというふうに思いました。一番感じたのは、歴史といえば歴史なんですよね。伝統といえば伝統なんだけれども、何の役に立つかわからないようなものをなぜこれほど受け継いでいこうとするのか。人間ってそういうものなのかってことを考えた時に、そういうものなんだなということをつくづく感じました。特に住職の方なんかは別に誰に知られてるわけでもないけれども、要するに自分だけの仕事として山の中に出かけて行ったりしてましたよね。まぁだからそういう祭りをするということの意味ですね。それを受け継ぐっていうことの意味、それを考えさせられた内容でした。非常に見応えのある番組だったと思います。